
夜、息子が大きな荷物を抱えて帰ってきた。
これまでのように「また週末に来るね」ではなく、もうどこかへ帰らなくていい、本当の”ただいま”だった。
離婚してから8年。離れて暮らしていた息子と、また一緒に暮らすことになった。
夜の駅で
駅まで、娘と犬の散歩をかねて迎えに行った。
夜は真っ暗で静かだったけれど、息子の姿を見た瞬間、ああ、本当に帰ってきたんだなと思った。
止まっていた時間が動き出す
家に着くと、息子はうれしそうにずっと話していた。
学校でのこと、友達のこと。夕飯を食べながらも止まらない。
その声が家の中に響いて、まるで止まっていた時間が再び動き出したようだった。
「定期代かかるから、俺の小遣い持ってきたからそれで買うよ」
「お弁当も、朝おにぎり作るから大丈夫」
その言葉に、胸が熱くなった。
「定期代は心配しなくていい。おにぎりもママが作るから大丈夫。」
そう言うのがやっとだった。
眠っていたものが息を吹き返す
それから、部屋の模様替えをした。
クローゼットの奥にしまっていたパソコンモニターを出して、「これでゲームすれば?」と私がすすめた。
長い間、使われず眠っていたモノたちが、また動き出した。
まるで家の中の空気までが息を吹き返したようだった。
家が息をする
家って、誰もいなくなると痛むという。
空気も音もぬくもりもなくなると、そこにある”生きる”が止まってしまう。
でも今、家はまた息をしている。
家具の配置を変え、空気を入れ替え、笑い声が響くようになった。
スピリチュアルを意識したわけじゃない。
ただ、生きるために、暮らすために、必要なことを自然にしているだけ。
それがきっと、いちばんの「再生」。
家族が本来のかたちにもどり、眠っていたものが動き出し、止まっていた時間がまた流れはじめた。
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自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
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