
戸隠へ行くと決めたのは、その朝のあとだった。
まだ何も決めていなかった早朝、いつものようにコーヒーを淹れた。でも、ひと口飲んですぐに思った。
「あれ、まずい」
香りも味も、体に合わない。いつもなら朝のドライブにカフェラテのメガサイズを買うのに、その日はどうしても飲めなくて、水を選んだ。
流し出す体
朝から鼻水がチョロチョロ出ていて、涙目でじわじわと涙がにじむような感じ。
頭痛はなかったけれど、体がなにかを**”流し出している”**ようだった。
そのまま食事もとらずに出かける準備をして、車に水と梅干しとチョコを積み込んだ。血糖値が下がると弱る体だから、少しずつつまみながら戸隠へ向かった。
ブスな翌日
――そして翌日。頭痛がはじまった。
鏡を見た瞬間、息をのんだ。
「私って、こんな顔だった?」
「ブスだな」
落ち込むというより、驚いた。
肌がしぼんで見えて、表情まで違う気がした。でも、それは崩れているんじゃなくて、新しい自分が出てくる途中だったのかもしれない。
傾いた写真、整う体
帰宅して写真を整理していたとき、撮ったときはまっすぐのつもりだった写真が、どれも少しだけ傾いていることに気づいた。
編集で水平を調整しながら、「体も、心も、同じように微調整の途中なんだな」と思った。
見たものも、写ったものも、完璧に”まっすぐ”なんてありえない。
だからこそ、そのズレを見つけて、整えていくことが大切なのかもしれない。
戸隠の浄化
戸隠神社は古くから、「封印解除」や「転機の前の浄化」が起こる場所といわれている。
訪れたあと、体調の変化や気分の揺れを感じる人も少なくない。それは、悪いことが起きているのではなく、”新しい自分に整うための調整”なのだと思う。
あの日コーヒーが飲めなかったのも、鼻水も、涙目も、頭痛も。
すべては浄化のプロセスだったのだろう。
体が先に知っていた。
変化の前には、いったん「ブスになる」ような違和感が訪れる。
でもそれは、古い皮が剥けていく証。
焦らず、抗わず、体が導くリズムにまかせていこうと思う。
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自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
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