
より厄介なタイプの存在
前回は「エネルギーバンパイアとはなにか」を書いたけれど、今回はその中でもとくに厄介なタイプについて。
愚痴やネガティブをたっぷり吐き出して共感を求めておきながら、最後は「でも感謝してる」「嫌いじゃない」と言って締めくくる人。一見ポジティブに見えるその言葉が、実は一番厄介だったりする。
本当の感謝とエセポジティブの違い
本来「感謝」っていうのは、時間を経て振り返ったときに自然と湧いてくるもの。「あの頃があったから今がある」と思えるときに、本心から出る言葉だ。
でもエネルギーバンパイアの場合は違う。今この瞬間、愚痴や悪口を並べた直後に、突然「でも感謝」と変化球を投げてくる。それは本心からの言葉というより、”いい人に見られたい”ためのエセポジティブ。人をだしにして、いい人でいたい人なのだ。
聞き手が陥る二つの罠
このとき起こるのは二つのパターン。
① 聞いてあげたけど、自分には「感謝」の言葉を返す材料がなく、ただ気まずくなる。 ② 相手の変化球に不信感を持った自分を「冷たいのかな」と責めてしまう。
どちらにしても共通しているのは、自分を責めてしまうこと。これこそが、やっかいなエネルギーバンパイアの手口だ。
優しい人ほどハマりやすい構造
そして、優しくてまじめな人ほど、この手口にハマってしまう。人の気持ちを大事にするからこそ「見捨てられない」と思い、ずっと聞いてあげてしまう。途中で遮ったら冷たい人に見えるんじゃないか、と自分を縛ってしまう。
でもその結果、自分のエネルギーはすっかり奪われて、最後には「なんで私ばかり?」「そんなふうに思う私は冷たいのかな」と、また自分を責めてしまう。
巧妙な「いい人」の仮面
やっかいなエネルギーバンパイアに共通しているのは「笑顔」。一見ニコニコしていて、いい人そうに見える。けれど、その笑顔にふと違和感を覚えることがある。
その違和感は、心がキャッチしたサイン。「この人とは距離をとった方がいいよ」という合図なのだ。無理に”いい人同士”を演じなくてもいい。その直感を信じて、距離を置いて大丈夫。
エセポジティブの見分け方
このタイプの特徴をもう少し詳しく見てみると:
会話のパターン
- 長時間の愚痴→突然の「でも感謝」
- ネガティブな内容の後に急に前向きなまとめ
- 相手の反応を見ながら調整する
心理的な動機
- 実は愚痴を言いたいが、いい人に見られたい
- 責任を取りたくないので最後に逃げ道を作る
- 相手に罪悪感を抱かせることで支配する
聞き手への影響
- 違和感を覚えるが言語化しにくい
- 「感謝してるって言ってるのに疑うのは冷たい?」と自己責任
- 結果的に同じような会話を繰り返すことになる
「ポジティブ」への過度な期待
SNSを見ると「感謝」「前向き」といった言葉が溢れている。ポジティブであることが美徳のように扱われ、ネガティブな感情を表現することに罪悪感を感じる人も多いのかもしれない。
でも本当にポジティブな人は、一貫性がある。相手のエネルギーを奪わないし、自分の感情に正直だ。時間をかけて自然に前向きになっている。
一方でエセポジティブな人は、突然の感情の切り替えが特徴的。相手の反応を常に気にしていて、自分の印象管理が最優先。相手を混乱させる効果を持っている。
健全な境界線の大切さ
大事なのは、ネガティブな感情を持った自分を責めないこと。嫌いな人がいてもいいし、ネガティブな気持ちを抱くのは自然なこと。仏さまじゃないんだから、それでいい。
無理に「いい人」を演じなくても、スピリチュアルっぽくまとめなくても、自分を責めないでいられることのほうが、ずっと健全でやさしい。
それこそが、エネルギーを守るための第一歩なんだと思う。
実践的な対処法
やっかいなエネルギーバンパイアに出会ったときの具体的な対処法:
会話中にできること
- 時間を区切る(「30分だけなら聞けるよ」)
- 感情的に巻き込まれないよう客観視する
- 「そうなんだ」程度の相槌にとどめる
関係性の調整
- 物理的な距離を置く
- 連絡頻度を減らす
- グループでしか会わないようにする
自分の心を守る
- 違和感を感じた自分を信頼する
- 「いい人でいなければ」という思い込みを手放す
- 自分のエネルギー状態を定期的にチェックする
エネルギーバンパイアから自分を守ることは、決して冷たい行為ではない。健全な人間関係を維持し、自分の心の健康を保つための正当な自己防衛なのだ。
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自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
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