✦ My Code ✦
「香り」が運んできた、遠い記憶とさよならの気配
今日はずっと、
自分のまわりに“何かの香り”が漂っていた。
誰にもわからないかもしれない。
でも、たしかに鼻先をかすめるたび、
胸の奥のどこかが反応してしまうような──そんな匂いだった。
お風呂に入っても、外を歩いていても消えない。
まるで、自分の中から立ちのぼっているみたいに。
ふと立ち止まったとき、
風の流れにのって、その香りがふいに強くなる。
それは昔どこかで感じたような、
けれど思い出せないような曖昧な記憶。
でも、体の感覚だけはおぼえていて、
「これ、知ってる」とどこかでつぶやいている。
✦ ・゚✧・゚✦
最初は、誰かの匂いがうつったのかと思った。
でも、まわりを見ても、その正体が見つからない。
もし現実にその匂いの“もと”が見つからないなら、
それはもしかしたら──
あなたの内側から放たれた香りなのかもしれない。
あなただけが感じる、その匂い。
それはきっと、
思い出すための合図。振り返るためのきっかけ。
そして「離れる」や「手放す」タイミングのサイン。
✦ ・゚✧・゚✦
楽しい思い出じゃない。
どちらかというと、
夜の空気に混じったタバコの煙のような、
知らないうちにコートに染みついた都会の残り香のような。
自分の中に、長いこと眠っていた感情。
使い終えたはずなのに、まだそばにいた記憶。
それが香りとして浮かび上がってきたのだと思った。
「ずっとここにいたよ」って、
でも「もう行くね」って言ってるような──
そんなやさしいお別れ。
✦ ・゚✧・゚✦
思い出は、変えられない。
でも、その意味なら、変えられる。
あのとき感じた痛みも、孤独も、
今のわたしが見つけた小さな幸せの種になっている。
そう思えるようになったとき、
その香りはもう、“ただの匂い”ではなくなる。
かつての自分にありがとうと伝えて
そっと、空へ返す。
そんな静かな手放しの時間だったのかもしれない。
✦ ・゚✧・゚✦
結局、なんの匂いだったのかはわからない。
でも今日は、
**「過去がそっと浮かび上がって、香りとともに離れていく日」**だった。
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自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
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My Code
香りが運んできた、遠い記憶とさよならの気配

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