✦ My Code ✦
– 夢と数字と、コードの再起動 –
ここ数日、夢に“昔の仲間”や“すでにこの世を去った人たち”が次々と登場している。
それはただ懐かしいというよりも、まるで「今ここにいる自分」を再確認するために、
“魂のコード”が再接続されているような感覚だった。
ある夢では、かつて同じステージでバックダンサーやコーラスとして関わらせてもらったことのある方が、
同じライブイベントに出演していた。
ステージには彼女一人、歌だけのシンプルな構成だったけれど、
ファンからの強めの声援にも落ち着いて応え、堂々と歌いきっていた。
「楽しくなっちゃって、予定より多めに歌っちゃった」と笑う姿に、
“自分もこんなふうに自由に表現したい”という気持ちが静かに目を覚ました。
彼女のほかにも、ギターを弾きながらドラムを同時に演奏するという驚きのパフォーマンスを見せた出演者がいたり、
ステージ初心者のような人たちもいて、イベント全体が温かく自由な空気に包まれていた。
ライブが終わると、不思議な達成感が心に満ちていた。
その余韻の中、ふとスタッフの中に見覚えのある顔を見つけた。
昔の舞台仲間。もう会えないはずの人。
でも夢の中では普通に生きていて、名前を呼ぶと笑顔で応えてくれた。
その笑顔がうれしくて、涙は出なかった。ただ、懐かしくて、深くあたたかかった。
打ち上げに合流しようとみんなを追いかけてエレベーターに向かったけれど、間に合わなかった。
私が乗り込んだその先は、なぜか駅のホームだった。
オレンジ色のライン——きっと中央線。
あぁ、私は今、西新宿に住んでいるんだった。夢の中のわたしはそう思い出して、
少し遠いけれど歩いて帰ろうと、静かに歩き出した。
歩きながら、ふと「鍵、持ってたかな?」と不安になる。
リュックを開けて探すと、ポケットに入っていた。
水色のネームタグのようなキーホルダーに、たくさんの鍵がじゃらじゃらとついている。
もう使っていない、過去の鍵ばかり——でもその中に、いまの“住んでいるらしい家”の鍵があった。
正直、部屋の詳細は覚えていない。
でも“そこに住んでいる”という感覚だけは、はっきりと残っていた。
現実のわたしは、13歳から今の場所に住んでいる。
ずっと近くにあったのに、これまで気づかなかったことがたくさんある。
たとえば昨日の朝。
犬の散歩の途中、ふと送電線を見上げると、そこに大きく「⑤」と書かれていた。
驚いた。ずっとそばにあったのに、こんなにも大きく掲げられていたことに、今まで気づかなかったなんて。
しかもこの送電線、少し前にカラスの巣を見つけて、電力会社に連絡した場所だった。
「巣立ちまで、迷惑でなければそのまま見守ります」と言ってくださった。
それを聞いて、なんてやさしい世界なんだろうと感じたことを思い出す。
「⑤」の数字にも、私は特別な記憶がある。
13年前、自分のサロンを持ちたいと思っていたとき、
偶然見つけた大きな古民家。7LDKほどある広いその家には、なんと屋号として漢数字の「⑤」が掲げられていた。
あの場所で描いた夢。
その後に選んだ離婚という道——それも結婚生活13年間だった。5と13が届いている。
それらすべてが、いままた、“コード”として浮かび上がってきている。
ふとした瞬間に思い浮かんだ場所がある。
広尾。代官山。
広尾は、お店の雰囲気や空気感がとても好き。カフェやパン屋、こだわりある暮らしがそっと息づいている。
代官山は、自分にぴったり合うというより、町全体に「オリジナル」が漂っているのが魅力的。
チェーン店ではない、小さなブランドや感性のあるお店たち。
実はこの2つの町も、それぞれ過去に関わった人が教えてくれた場所。
今はもう思い出だけでいいけれど、そのきっかけがあったから、今の私の好きな世界が広がった。
「ツインレイ」という言葉がしっくりこなかった私は、
新しい概念として「コードメイト」という言葉を思いついた。
過去に出会った人たちは、
本当の出会いを見分けるための通過点。
痛みや執着のためではなく、
「ありがとう」と手放して、自分のコードに集中するための時間だった。
…そして数日前。
寝る前、ふと思い立って、
昔のYouTube動画を見直した。
全部で9本に絞って、タイトルと概要欄を今の自分の言葉で書き換えた。
“あの頃”のわたしを、
“今”のわたしがやさしく包むように、手を加えた。
そのまま眠りにつき、
夢の中で懐かしい人たちに出会い、
鍵を手にして、
そして朝、送電線に掲げられた「⑤」を見上げた。
ふと気づいた。
もう全部、つながっていたんだ——。
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自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
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