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  3. 30年後の私へ手渡すタイムマシン

30年後の私へ手渡すタイムマシン

2026 6/30
くまこ第二章
2026年6月30日
目次

なぜ私は曲を書いているんだろう

数日前、父とのことを歌詞にした。

病院へ連れて行った日のこと。

いつの間にか、私がハンドルを握り、父は後部座席に座っていた。

そんな日常を歌にしていて、ふと不思議なことを思った。

「私は、なんで曲を書いているんだろう。」

ブログを書くのも好きだ。Instagramに投稿文を書くのも好きだ。YouTubeで話すのも好きだ。どれも言葉を伝えることには変わりない。

でも、曲だけは少し違う。

歌詞を書き、メロディがつくと、それは一つの作品になる。

そのことを考えたとき、自分が今、生きている証を残そうとしているような感覚になった。

最初は、「私、もうすぐ死ぬのかな。」と一瞬思った。

もちろん、不安になったわけでも、死を恐れているわけでもない。人はいつか必ず死ぬ。そのことを以前より自然に受け止められるようになった今だからこそ、そんな感覚がふっと浮かんだのだと思う。

残すためじゃなかった

でも、考えているうちに気づいた。

私は「残すため」に曲を書いているわけではなかった。

少し前から私は、「already(すでに持っている)」という感覚を何度も考えている。新しいものを探すのではなく、答えはすでに自分の中にある。その感覚はブログにも書いてきたし、今もなお更新され続けている。

そして今回、もう一つつながったことがある。

音楽には、その時代を一瞬で思い出させる力がある。昔好きだった曲を聴くと、その頃の景色や空気、感情まで鮮明によみがえる。それはきっと、多くの人が経験したことがあると思う。

30年後の私への手渡し

だったら、この曲も同じなんじゃないか。

30年後、83歳になった私が、この曲を聴いたとする。その頃には、父はもうこの世にはいないだろう。

でも、この曲を聴いた瞬間、私は53歳だった今の景色を思い出す。後部座席に座る父。病院へ向かう車。あのとき感じた空気。そして、「already」という感覚を生きていた自分自身まで。

曲を書かなかったら、ここまで鮮明には思い出せなかったかもしれない。

そう思ったとき、私は初めて気づいた。

私は未来の誰かのためではなく、未来の自分のためにも曲を書いているのかもしれない、と。

30年後の私が、この時間をもう一度受け取れるように。

「already」の意味が少し変わった

そう考えたら、「already」という言葉の意味も少し変わった。

すでに持っている。それは答えだけではない。今日という時間も、今日感じたことも、すでに私の人生の中にある。

曲を書くことは、その「今」を未来の私へ手渡すことなのかもしれない。

そう思ったら、数日前に書いたあの曲の意味が、私の中でまた一つ深くつながった。


クロスする

作詞:くまこ

あなたの指に 私がバンソウコウを貼る
たどり着けない場所へ
連れて行ってあげる
私達は入れ替わった

それなら私が出そう
あなたに私が合わそう
同じ言葉は何度も交わそう
私がしてもらったモノをあなたに

助手席でキョロキョロしながら
初めての道を走らせるあなたに
疑問を投げかけていた
今は私がハンドル握り
後ろで変わった街並みに
驚くあなたを乗せている
あなたと私がいつからか自然にクロスする

あなたの足の 歩みが私より遅くて
手を引くようになると
戻るように思う
私達は入れ替わった

時経ち気持ちが変わり
予想は見えないふりして
同じ言葉に時にはイラつき
私がしてもらったことをあなたに

助手席でキョロキョロしながら
初めての道を走らせるあなたに
疑問を投げかけていた
今は私がハンドル握り
後ろで変わった街並みに
驚くあなたを乗せている
あなたと私がいつからか自然にクロスする

盗まれたあの時計を思い出す
シルバーの大きな大きな腕時計
悔しくて泣いた
思い出を返してと叫んでも
返らぬものがあることを知った

助手席でキョロキョロしながら
初めての道を走らせるあなたに
疑問を投げかけていた
今は私がハンドル握り
後ろで変わった街並みに
驚くあなたを乗せている
あなたと私がいつからか自然にクロスした

✧━━━━━━━━━━━━━✧
自分にコードをつなげよう
My rhythm, my light
✧━━━━━━━━━━━━━✧

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